こんにちは!
アン・インテリア・ラボ研究員のAnneです。
今回はいつもの分析&コーディネートとは趣向を変え、
インテリア目線でストーリーをより深く味わってみるという回です。
取り上げるのは前回に引き続きNetflixの大ヒットドラマ
『クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)』です。
今回の主役はベスではなく養母アルマ・ウィートリー。
彼女の鬱々とした心情や閉塞感がインテリアにもよくあらわれおり、とても興味深いお部屋になっています。
ドラマを観たことがある方もそうでない方も一緒に楽しんでもらえたらなと思います。
それでは行ってみましょう♪
クイーンズ・ギャンビットってどんなお話?
まずは簡単にストーリーのご紹介を。(知ってるよ!という方は次の項目へどうぞ)
お話は1950年台半ばの米国ケンタッキー州から始まります。
主人公のベスは9歳で親を亡くして児童養護施設に引き取られ、
そこでチェスと出会い才能を開花させていきます。
その後13歳でウィートリー家の養子となったものの、まもなく夫妻が離婚。
生活に困窮しアルコールに溺れていく養母アルマとの暮らしの中、
自身も様々な問題を抱えながらもベスはチェスプレイヤーとして勝ち上がっていくことに活路を見出します。
養母アルマの病んだ心を映すインテリア
上記のあらすじの通り、離婚後アルコールに依存していく養母アルマですが、
そもそも離婚前からすでに病んでいます。
夫婦にはかつて子どもがいたそうですが既に亡くなっており、
またアルマはピアノの演奏家になりたかったそうですが、極度のあがり症ゆえにプロの道を諦めたと言っています。
アルマはあがり症を理由として挙げてますが、時代背景を考えると女性が家庭に入るのが当たり前だったでしょうし、なんの後ろ盾もなく演奏家になるというのも現代以上に厳しかったというのもあると思います。
そして唯一の家族である夫のまた冷たいこと!
そりゃ絶望しますよ。
そんな中、唯一見出したひかりが養子をとることだったんでしょうね。
こういうアルマの背景を踏まえた上で、ウィートリー家のインテリアを見てみましょう。
沼の底のような薄暗いリビング
朝のシーンにも関わらずどんよ〜り重たい空気のリビングです。
ひとつひとつのアイテムは現代でも人気のミッドセンチュリーテイストで素敵なんですが、全然居心地が良さそうとは思えない空間です。
そしてリビングの入口にはベルベットのカーテンがたっぷりとあしらわれゴージャスな感じですが、これまた素敵というよりはずっしりと重苦しい感じ。
引きで見てみると、壁もソファもチェアも深いブルーグリーンで家具もダークブラウンという全体的に重めのカラーバランスであることがわかります。
この部屋を初めて見た時はまだアルマの過去は明かされてなかったのですが、
何も知らなくてもこの家きっと何かあるよね…と察してしまうような鬱々とした印象を受けました。
2階もやばい。窒息しそうなお花畑
なんだかやだな〜やだな〜(稲川順次風)というのが確信に変わったのがこの2階を案内するシーンです。
うごめくような花柄でびっしりと埋め尽くされたホール。
当時の流行りなのかもしれませんが、見た瞬間うわっとかなりの息苦しさを感じました。
そしてトドメの寝室です。
壁、カーテン、ベッドカバー、ランプに至るまで大輪の花づくし!!
なにもそこまで埋めなくても…
もう息できませんよ。
心の空虚さを埋めるためのインテリア
ここまで見てきた通り、この家には無地の壁というのが存在しません。
それはただの好みや流行りという意見もあるかもしれませんが、
ここまで徹底して柄で埋め尽くしてしまうのは、
心の空虚さを埋めるための代償行為のように私には思えます。
こちらは朝ベスが起きてくると、アルマが憂いを帯びながらピアノを弾いているシーン。
この後に子どもを亡くしたことやプロを諦めたという話になります。
美しくも哀しく息苦しいこの家は、アルマの内面を映す鏡のようです。
まとめ
今回はNetflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』の養母アルマの鬱々とした心情を映すインテリアをご紹介しました。
アルマの抱えている閉塞感や息苦しさみたいなものを視覚的に表現しているのがなかなか興味深いインテリアだったと思います。
皆さんはどのように感じられたでしょうか?
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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